じっくり語り語られてみよう ■”咎 〜イバラヒメノ ツミ〜” PV : えびP

イベント 『じっくり語り語られてみよう』 に参加し,作品について語っています.作品へのネガティブな表記・ネタばれを含む場合がありますが,イベントの趣旨に乗った上での記述とご理解ください.他の方の語り記事一覧 → 『No.13: ”咎 〜イバラヒメノ ツミ〜” PV 【伊織ソロ】

【語り記事の募集〆切】 10/29(水)
【語り視点の注文】
なぜ「伊織でこの作品」なのか。肯定否定何でも結構です。その際「月」「闇」のキーワードを必ず入れ込んで下さい。同時に貴方がこの作品に感じた世界観も語って頂けると嬉しいです。



【”咎 〜イバラヒメノ ツミ〜” PV : えびP】



RDGさん主催、「じっくり語り語られてみよう」企画の出展作品である
ずーっと長らく何かがひっかかり続けていた作品だったので、これを機会に何か語らせて頂ければ、と思う次第である
語りに関してのレギュレーションは、最初の転載させて頂いた部分を参照されたし
そして締め切りをぶっち切ってる事に今気付いたんだアッハッハ
では参ります  (゚Д゚) 少しはぶっち切ってる事を気にせんかい






この作品との出会い


「ああ、また凄い人が出てきた」
紛れも無く、これが最初の感想である
この瞬間に、「えびP」というプロデューサーを強烈に認識した事を強く覚えている
そして
「どうしてこんなに何かが強烈にスポイルされているのだろう」
とも、思った
紛れも無く、これも最初の感想である


惜しい、とかではない
まるで最初から意図されているかのように、この作品にはごっそりと強烈な虚無が存在している
もしくは何かを込め忘れたのではないだろうか、という疑いも同時に存在していたのではあるが
つまりは混乱
時に創作は作り手を離れ、そのモノ自体がその存在をもって何かを語りだす事がある
でも、そうではなかった
言ってしまえば、強烈な存在感「しか」存在していない
そしてそれは、強烈にスポイルされた「何か」の存在があってこそのものであり、突如時空に現われたブラックホールが一瞬にして全てを -最後には自分自身をも- 飲み込んでしまうような、そんな刹那の質感を伴った存在感だった
2分27秒の刹那
何もないのに確かに存在した何か
そんな強烈なアンビバレンツが、意図されてのものか偶然なのかもわからずに、ただそこにあったのだ



だから -ここでだからという物言いはおかしいんだけれど- 思ったほどこの作品が伸びなかった事に、わりと当時納得がいったような覚えがある
受け入れる受け入れない、で判断するような作品ではないのだ
言ってしまえば、理不尽な暴力に近い何か、な気がする
これまた暴力という物言いは適切ではないんだけど、事故と表現するにはあまりにも意思が存在している
多分えびPは、やり過ぎてしまったのだろう
それは創作する者特有のソリッドな暴走であり、その意思が意識的なのか無意識なのかが不明なところにこそ、当時の彼の創作者としての未熟さと強さを感じるのだ
つまり何にせよ、「今の」えびP誕生の瞬間であったと言えると思う






伊織


何故、伊織なのか



 (゚Д゚) えびPだから



そこ、混ぜっ返すな
水瀬伊織は器である
よりしろ、と表現してもいいかもしれない
彼女の強さこそが彼女の鎧であり、その内実はとても柔らかく弱い



 (゚Д゚) なるほど。だから「えび」Pなのですねわかります



そこ、ちょっと上手いこと言うな。甲殻類的な意味で
この作品の器として選ばれたのが彼女なのは、必然である、とも言える
彼女には、彼女を取り巻く現実に立ち向かうべく内実が何も無い
少なくとも、彼女自身はそう考えている
だからこその、もっと君は祝福されてもいいという思いからの、かのえびPの傑作が存在しているのだけれど、それはまた別の話
イバラヒメノツミとは、咎とは何か
世界に対して、何もなしえなかった事だと僕は思う
世界の終焉としての象徴の月が落ちるまで、闇の中であがき続けた彼女には、何もなしえる事がなかった
そんな物語だと、僕は解釈している
手は差し伸べられていたであろう
それを掴んでしまえばよかったのだ
だが、終焉のスイッチを押したのは彼女自身だ
儀式としてのラスト・ダンス
彼女が幕を引き、月は落ちた
そこにはもう、掴む手もそれを拒んでまでも掴みたかった未来さえも存在していないのだから
ただ、そんな彼女の空虚さは、最後の瞬間に満たされているようにも思える
閉じ込められた世界の閉じ込められた時間の「何度目かの」終わりの、最後の希望
次こそは -次こそは- 次こそは?
閉じ込められた世界において、彼女は一体何を掴めるというのだろう
そこに明確な答えはない
むしろ、きっと彼女は繰り返すのだろうし、今まさに僕らの目の前でそれは繰り返されている
だから彼は、えびPは今も手を伸ばし続けている



(ノД`) なんかねー、そういう事だと思うんだわ
 (゚Д゚) はい限界がきたようですー
(ノД`) どして今、この作品なんだろうなーって思ったの。んで、そういう事かにゃーと
 (゚Д゚) 先生!何を言ってるのかサッパリです!
(ノД`) んー‥‥えびPにとっても事故みたいなもんだわなーと。作れちゃったんだわなー‥‥。こうなると、伊織自身に許されるしかないと言うか‥‥難しいところですよねえ‥‥
 (゚Д゚) だから何を言ってるのかわからんと
(ノД`) えびPガンバッ!
 (゚Д゚) だからっ!